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〜プー蔵とミツバチ〜






雷蔵「むかし、むかし、大昔、くまのプー蔵は、森の中でサンダースという名の下に住んでいました。

   ある日のこと、プー蔵が、ぶらぶらと外を歩いていたら、大きな樫の木のあるひろっぱに出ました。

   その樫の木のてっぺんから、ブンブンという大きな音が聞こえてきました。

   プー蔵は、その木の根元に腰を下ろすと、頬杖をついて考えはじめました。」



プー蔵「あのブンブンという音には何かわけがある。

    ああいうブンブンという音が何もわけがないのに、ただブンブン出てくるはずがないのだから。

    ブンブンという音がするのは、誰かがブンブンって言っているから・・・って、なんだこの文章は!!

    樫の木の上に蜜蜂がいるってことをなんでこんな回りくどい言い方をしなければならないのだ!!」



雷蔵「まあまあ、こういう言い回しがこの話のいいところなので。」



プー蔵「なぜ私がこんな役に・・・。

    気に入らないところは勝手に変えさせてもらうぞ。」



雷蔵「はぁ・・・。いいですけど、なるべく台本に沿ってくださいね。それでは気をとりなおして。」



プー蔵「で、蜜蜂は蜜をこさえるためにおり、その蜜は私が食べるためにあるのだ。」



雷蔵「そこで、プー蔵は蜂蜜を採りに行くため、木に登りはじめました。プー蔵はどんどん登っていき、登りながらこんな歌を

   歌いました。」



プー蔵「私は、こんな変な歌は歌わない。」



雷蔵「・・・。というわけで、プー蔵は歌を歌い終わりました。さらに登って、2つ目の歌も歌い終わりました。

   しかし、あと一歩というところで枝が折れて落っこちてしまいました。」



シュタッ



雷蔵「プー蔵は、ハリエニシダの木の中に落ち、鼻に棘が刺さる・・・予定でしたが、その横に着地しました。

   そして、プー蔵は蜂蜜を採るための方法をまた考えはじめました。考えた結果、久々ストファーロビ助のもとへ行くこと
   にしました。」





雷蔵「というわけで、プー蔵は、森から少し離れた緑色の戸のある家に住む、久々ストファーロビ助のもとへやってきまし

   た。」



ロビ助「やあ、プー蔵。どうしたんだい?」



プー蔵「単刀直入に言う。風船を出せ。」



ロビ助「えっ、あぁ風船ね。えっとちょっと待っててくださいね。」





雷蔵「兵助、なんで敬語なるのさ。」

兵助「だって、立花先輩の前だとなんとなく・・・。」

雷蔵「確かに・・・。仕方ないか・・・。途中で止めちゃってごめんね。」

プー蔵「何をこそこそ話しているんだ!?」

雷蔵「いえ、なんでもないです。ではつづきを!」





ロビ助「お待たせしました。はい、どうぞ。しかし、風船を何に使うんですか?」



プー蔵「蜂蜜を採るらしい。採れるわけがないが。」



ロビ助「そ、そうなんですか・・・。えっと、それで、どのように?」



プー蔵「蜜蜂にばれないように全身に泥を塗り、雲に化けるとか言っている。大変馬鹿げているな。無論やらないが。」



ロビ助「そうですか・・・。」



プー蔵「とりあえず木に登るから、傘を持って来い。そしてお前は雨が降っている、という演技をしろ。」



ロビ助「あ、はい!」



雷蔵「そして久々ストファーロビ助が傘を持って戻ってきました。」



ロビ助「ちぇっ、ちぇっ、雨らしいぞ。ちぇっ、ちぇっ、雨らしいぞ。」



プー蔵「下手な演技だな。」

ロビ助「・・・。」

雷蔵「これは、台本通りです・・・。」



雷蔵「えっと、しかし、プー蔵が蜜蜂の巣に近づくにつれて、蜂たちが騒ぎだしました。」



プー蔵「ちっ、ばれたか。」



雷蔵「と言って、潔く降りました・・・。」



プー蔵「はちみつが取れないのでは仕方が無い。今日は帰って寝る。」



雷蔵「と言って、帰ってしまいました。本当は、もう一波乱ありましたが、割愛させていただきます・・・。」



ロビ助「・・・。」



雷蔵「このお話はここで終わりですが、これからのお話では、伊さレットや文ビット、様々な森の仲間たちが出てきます。

   それではまたこの森で!」





おわり





あとがき

こんなアホな話を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
久々知と雷蔵が大変可愛そうな話になってしまいました・・・。(特に久々知)
仙様がプーさんというのが一番のミスキャストだということに気がつきました。
でも、まだ続きます・・・。
よろしければお付き合いください。






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